第49回衆議院議員選挙が幕を閉じて

ベクトルの異なる選挙から学んだこと

12日間という長い選挙期間を終えました。まずは各候補者の皆さん、本当にお疲れさまでした。

選挙結果も出揃い、時刻は午前二時。少し瞼も重いのですが、記憶が鮮明なうちに簡素ながら選挙の雑感です。

今回の選挙でボクが応援に入らせていただいた陣営(選挙区は異なる)では、当落様々な結果となりましたが、全員が全員全力で当選に向けて選挙運動を行っていました。

演説だったり組織運営だったりと、いかに政策を一人でも多くの有権者に伝えるかがキモとなる選挙。そこは多種多様な手法を学べる4年に一度の貴重な機会でもあるかもしれません。

その中でもボクが追えるものは参考にさせてもらい、明らかにタイプの違うものは初めから追わない、スタンスの断捨離ができた気もします。

そんなこんなであちこち駆けまわった12日間(実際にはもっと前から活動は行われていましたが)。選挙に対して思うことをつらつらと書き綴りたいと思います。

ネガティブキャンペーンの是非

選挙となると多くの候補者に賛否様々な意見が飛び交います。

  • 〇〇候補は過去にこんな失態を犯した
  • 〇〇候補は裏ではこんな人だ
  • 〇〇候補は役立たずだ、などなど

挙げたらキリがありませんが、事実との整合性をも抜きにした噂話が必ず飛び交います。

「あなたは人の悪口を聞くのが好きですか?」

こう聞かれて「はい」と答える人はあまりいないでしょう。だけど何故か選挙となると対立候補の悪口で盛り上がるのは不思議です。

これが仲間(選挙事務所)内だけであればまだ理解もできますが、街頭演説などで発することは決してプラスには働かないでしょう。

なぜならば日本にはネガティブキャンペーンは浸透しておらず、その答えは企業PRで使われていないことからも明らかです。

日本の企業はライバル企業の悪口で自社製品をPRすることはありません。この辺りはアメリカ企業との風習の違いなのでしょうが、やはり「人(他社)の悪口を言っている人(企業)は信用できない」といった日本人に染み付いた感性があると信じています。

少なくともボクは誰かを落とすのではなく、自分の方が良いと思われる活動を続けていきたいと思います。

柔軟的な街頭演説

ボクは、政治家とは信念ともいえる軸となる政策を徹底して貫くべきだと考えますが、今回の選挙では「貫き方」について考えを少し見直さなくてはと考えさせられました。

というのも、目の前で耳を傾けている対象者のニーズを汲み取らず、求められてもいない政策を発信することは、もしかしたら発信側の自己満足でしかないのかもしれません。

求められた政策を柔軟的に発信できるのは多くの引き出しを持った証拠でもあるし、求められたニーズと自身の軸となる政策をマッチングさせて発信することも高度なスキルが必要です。それが出来ずして下手なプライドで凝り固まるのではなく、多くの引き出しと柔軟的な発信を身に付けるためにも、今後も引き続き街頭演説等で修行あるのみです。

選挙運動と政治活動の熱量の差

これはあって当然だと思います。365日選挙中と同じテンションで政治活動を行うことは体力的にも時間的にも不可能ですが、そのテンションの差は小さければ小さいほど良いと考えます。

日々の政治理念や行政情報の発信には様々な方法があります。駅に立つ、チラシを配る、SNSを活用する、集会をするなどなど。

コロナ禍で今は集会などは開けませんが、他の方法であればほぼ制限なく行うことができます。それを選挙の前から急に始めるようでは、それらの情報発信が市民に対する情報提供ではなく、選挙で当選するための宣伝のように映ってしまうのではないでしょうか。少なくともボクは議員になる前から、選挙前に急に投函数が増えるチラシにうんざりしていました。

そして、やはり今回の選挙でも選挙前からチラシを配ったり駅に立ったりSNSを始めたりという候補者があまりにも多かった。特に今はSNSがあるので、その頻度の差は一目瞭然ですし、同じような投稿から候補者の理念の違いが読み取れませんでした。

常に選挙と同じ頻度で、とは言えませんが、今回の選挙で当選した候補者はより多くの情報を得ることができる立場なので、今後も引き続き市民に有益な情報を発信し続けていただきたいと思います。

その為にも有権者の厳しい目が必要ですので、そちらは是非ご協力ください!

まとめ

と、いろいろ好き勝手書きましたが、各候補者は今日を迎えるまでに大変な努力と苦労を積み重ねてきました。

候補者を人柄の好き嫌いで判断するのではなく、努力の末に生み出した政治的理念や政策に目を向けていくこともボクら有権者の責任の一つです。

今回の選挙の争点は大きく分けると「与党の政権運営の是非」であり、その内容は「コロナ対策」が中心でした。

もちろんコロナ対策は喫緊の課題ですが、政治は同時進行で様々な課題に向き合っていかなくてはいけません。

特に今の時代を反映した「多様性」や、メディアで頻繁に目にする「若者向け政策」などは選挙が始まれば全くと言ってもいいほど耳にすることはありませんでした。

候補者からすれば「ウケ」のいい政策を発信しがちになるのは選挙という性質上避けることはできません。しかし、それではいつまで経っても政治は時代に追いつくことはできません。

だからこそ有権者である皆さんも時代に追いついた政策に耳を傾ける、そんな演出が必要なのかもしれません。

その一つが投票です。
投票年齢など、まだ細かな数字は出ていませんが、今後その数字が公開されたら改めてブログに書きたいと思います。

何はともあれ各候補者の皆さんお疲れさまでした!
そして12日間、大きなマイクにお付き合いいただきました皆さん、ありがとうございました!


明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・ファイナンシャルプランナー / JAPAN MENSA会員
マルチタスク・ラボ
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著書:マルチタスク思考

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