情報を読み解くための情報リテラシー
情報収集の際に気を付けるべきポイント
情報とは様々な顔を持っています。
見る角度によって姿かたちを変え、その情報によって得る印象は大きく変化します。
今日、ネットサーフィンをしていて見つけたこの記事。→「10万円」給付金、なぜか「もらえなかった人たち」のヤバすぎる真実
内容の良し悪しではなく、ボクが感じたことを説明したいと思います。
ただ、この情報の読み解き方は情報化社会において結構重要な視点だと思うので、情報について考えるきっかけにしてもらえればうれしいです。
この記事が指摘する主な問題点は3つ
まずこの記事の導入は全国民対象に10万円を支給する「特別定額給付金制度」に不平等が生じている点を指摘しています。
- 路上生活者など住民票が無い生活困窮者は申請できない
- 公務員の削減により福祉行政が弱体化している
- 在留資格がない「外国人」に支給されない
1については、路上生活者は住民票を持っていないためにそもそも申請書が届かない点を指摘していますが、そのような方たちの為に生活保護制度というものがあり、彼らには毎月特別定額給付金よりも手厚い補助制度が行われています。
もちろん本記事でも生活保護制度には触れていますが、生活困窮によって「急な家無し状態」では申請書を受け取れないじゃないかといった制度の問題点を指摘していますが、特別定額給付金は緊急事態宣言から1~2ヶ月で支給がスタートしています。(自治体によって前後はありますが)
その間に(1)所得に影響を及ぼし、(2)貯金が底を尽き、(3)住まいを手放し、(4)身内に頼れる人がおらず、(5)路上生活者になってしまうケースは参考事例に出せるほどの件数ではありません。出すのならばしっかりと情報を開示すべきです。
2については、公務員の人数が減ったため福祉行政に携わる公務員がおらず、足を運んで現状を支援する草の根的な行政支援ができなくなっている点を指摘しております。今回の記事を読んでボクも川越市をはじめいくつかの自治体の職員数の推移をチェックしてみましたが、ここ近年公務員の人数はほぼほぼ横ばいです。行政サービスに影響の出るほどの人員削減をした自治体は見当たりませんでした。まぁ余程の財政困窮状態の自治体は人員削減もありますが、それを事例に出すのはちょっとね、、、って思います。
3については、在留資格はない外国人の問題では、記事でも書いてありますが「たまたま仕事が途切れた時期に就労ビザが切れているとNG」となります。要するに条件が限定的すぎる、かつビザが切れていることを前提としていることを事例に出すのはやっぱりう~~んと考えてしまいます。
誤解を招く表現に疑問
また、全体を通してこの記事では誤解を招く表現が散見されます。
この誤解を招く表現に気づけないと、自分の思考回路を操作されることになります。
ボクが思う今回の記事の「誤解を招く表現」についてご覧ください。
1=冒頭、本記事では、特別定額給付金はベーシックインカムの第一歩と評価する声も多い、と記載されていますが、ベーシックインカムは社会保障制度を一本化して現金を恒久的に支給する制度であり、今回の特別定額給付金とはまッッッたく異なる制度です。
「評価する声も多い」といった表現は多くの有識者が同意見であると誤解を生み出すミスリードです。
2=同時に本記事では冒頭で「特別定額給付金はベーシックインカムの実験となった」と位置づけ、その後の文章では特別定額給付金の課題をベーシックインカムの課題に置き換えて説明が続いていますが、そもそも第一歩目の仮説が成立していないので、その後の展開はすべて無意味と言わざるを得ません。
2=その他、政府関係者も今回の特別定額給付金の制度に落ち度があったことを認めている旨の記載がありますが、「政府関係者」って顔のない人の発言を取り上げてさも身内もこの制度の問題に気付いているんだよ!と言うのはさすがにやりすぎではないかと思います、、、
さて、そんなわけでここまでいくつか書き連ねてきましたが、本記事は全体的に「裏付けが甘い」記事です。
同時に、裏付けの甘い文章を用いて読み手に誤解を招く文脈は正しい情報の伝達とは言えません。
文字情報は惰性で読むのではなく、一字一句掘り下げて読む
改めて情報の読み解き方について。
情報は書き手(発信者)の意図が含まれます。悪意とか善意とかではなく、これは人が感情を持って書く以上必ず起きてしまいます。
そのため、情報を読み解くときは必ず「事実に沿っているか」を意識して読むようにしましょう。
最後に
情報を読むときは発信者の意図を、と書きましたが、分かりやすいのが発信者の過去の情報を読むことです。
今回の記事を書いた方の過去の活動や記事を読めばどのようなスタンスなのかが見えてきます。
自民党政権に厳しめの感情を持っているのかな?フェミニズム思想かな?などなど
発信者の思想を読み解くと有意義な情報との付き合い方ができます。
是非皆さんも情報に触れるときは情報の裏付けを取ること、これが正しい情報との付き合い方であり、情報リテラシーを高める方法です。