【地方議会】一般質問って何?

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なぜ地方の議会は話題にならない?

国会の議論は頻繁にテレビで目にすることはありますが、地方議会の様子はなかなか目にすることがありません。

それでも全国の地方議会の議員数は2019年調べで、

都道府県議会議員数
自由民主党: 1,301人 公明党: 206人 日本共産党: 138人 立憲民主党: 128人 国民民主党: 103人
社会民主党: 31人 日本維新の会: 18人 諸派: 148人 無所属: 595人

市区町村議会議員数
公明党: 2,709人 日本共産党: 2,503人 自由民主党: 2,180人 立憲民主党: 463人 社会民主党: 212人
国民民主党: 203人 日本維新の会: 146人 NHKから国民を守る党: 39人 諸派: 523人 無所属: 20,784人

と、衆議院465人と参議院248人の計713人の国会議員と比べても圧倒的に人数が多いことがわかります。

しかしその情報はメディアに乗ることもほとんどなく(あっても不祥事くらい)、なかなか国民の目に留まることはありません。

そのため、そもそも地方議会で何が議論されているのかも伝わりにくいために「地方議員って何やってるの?」という声がたくさんあります。

地方議員、最大の発信の場は議会(定例会)

地方自治体には首長が招集者となる議会と呼ばれる定例会があります。

実は国会も地方議会もやっていることはほぼほぼ同じです。
ざっくり言えば三権分立で教わった内閣=執行部です。市長がいて各部局の部長がいて、その傘下に課長はじめ多くの職員さんがいます。国会でいえば総理大臣がいて各部局の大臣がいる。そしてその傘下に様々な役職の人がいますよね。

そして国会=地方議会であり、内閣(執行部)から上げられた法案(条例案)を議論するのが地方議会の役割です。
ちなみに地方議員にも国で指すところの立法権(条例案を提出する権利)がありますが、大半の地方議会では上程する前に議会内の委員会で議論をするので、その場で賛成多数をとれない条例案はほぼほぼ議会に上がることすらありません。だって否決されると分かっているわけですからね。

話を戻して議会の発言の機会について。
議会では議員の発言の機会は限定されております。しかし議会での発言は自身の広報のみならず、議会広報紙や議会ホームページでも公開される分、ある意味では議員最大の発信の場とも言えます。

ではその発言の機会はといえば、大きく分けて以下の三つになります。

  • 一般質問
  • 質疑
  • 討論

厳密に言えば発言の機会は他にもありますが、自由度の高い発言ができるのは主にこの三つとなるので、まずはこの中から最も自由度の高い一般質問について説明します。

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一般質問とは?

一般質問とは「議員がフリーテーマで執行部に質問できる」権利です。

質問と言うと「何かを聞いたり確認する」だけのように思われますが、実際には質問を通して政策の確認から課題の抽出、改善策の提言までが一般質問のセオリーとなっています。

前述した通り議員には発言の機会は、

  • 一般質問
  • 質疑
  • 討論

上記三つで、これらは自由度が高い発言ができると書きましたが、それでも質疑や討論は特定の議案に関してのみの発言となります。
その点一般質問はフリーテーマで最も議員独自のカラーが出せる貴重な機会となります。

例えば福祉予算を増やすべきだという主張があれば、現状の福祉施策の取組みを質問して不足分の確認、その不足分による政策的デメリットを提示して予算増の必要性を訴え、最後に福祉予算増の考えを確認する。
要するに、現状確認の質問→課題に対する提言→提言実施に対する考え方の確認、この流れが基本的な流れとなります。

なぜこんな遠回しに施策提言をするかというと、議員側には予算執行権がないからです。

その為、議員からしてみれば執行部が予算編成する際に自分の提言を取り入れてもらうためにも、一般質問を通して施策の必要性を共有しなくてはなりません。
国民からしてみるとわかり辛い制度ですが、執行部と議会という二元代表制だからこその制度とも言えるでしょう。

その点、国会は与党議員の一部が内閣(執行部)の一員となるので、一般質問にて施策提言よりも与党になることの方が影響力が大きいために政治的アプローチは政局に偏り、同様の理由から報道も政局に偏る傾向にあります。

地方議会では生活に密接した議論が行われている

一般質問では市民生活に関わる議論が行われています。

例えば道路の歩道スペースの確保であったり学校の先生の人数であったり、他にも子どもの遊び場確保についてや地元イベントの支援であったりと。

そう考えると国会以上に観ていて「そうそう!」と思えるポイントがあるかと思います。

今は大半の自治体で議会中継を放送しています。

是非お住まいの地域の議会放送をご覧ください。もう少し地方政治を身近に感じることができるかもしれません。

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