スポーツドクター、ボランティア募集が間違っている理由

東京五輪にスポーツドクター200人をボランティアで募集

東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会が大会期間中に選手のけがの治療などを行う医師をボランティアで200人程度募集しています。

ボランティアということで交通費以外の報酬は支払われないとのことで、医療関係者をはじめ多くの批判が飛び交っています。

この件についてはYouTubeでも触れましたが、改めて医療業務のボランティアについての問題点と対策を説明します。

ボランティア活動に求める対価とは

まず、ボランティアとは日本語では「奉仕活動」と表現されますが、一概に「奉仕活動=タダ働き」という意味ではありません。

ボランティア活動にも得られるものがあり、依頼側はそれを対価と考えボランティアの場を提供しなくてはいけません。

それはボランティア活動という社会貢献を通しての達成感かもしれませんし、新たな体験かもしれません。しかし、今回募集したスポーツドクターは医師免許を取得後、4年が経過し、更に必要な講習などを受けた後に得られる資格であり、対象者はボランティア活動を通さずとも既に日々の医療業務を通して社会に大きく貢献している人たちです。

資格保有者による医療業務には原価がかからないため、今回の募集ではその技術の無償提供を求めるものですが、これは絵描きなどのアーティストに対して「原価がかからないんだから一枚描いてよ」と言っているようなものであり、その技術を得るまでの時間や金銭的投資を考慮していない表れです。

これが資格不要で誰でもできる業務に対してのボランティア募集であれば参加者に新たな体験の場を提供することでボランティアとして成立するかもしれませんが、日頃から医療業務で報酬を得ている資格保有者に対して「原価がかからないんだからタダでやってよ」は軽率な判断と言わざるをえません。

オリンピックに関わる業務は崇高なのか

ではなぜ「技術者の技術を買う行為を無償」で募集したのか。

資格保有者は日頃から医療業務に従事しています。そしてそこでは当然ながら対価として賃金を得ています。それを五輪に関わる業務だからと無償で募集を掛けるということは、「日頃の医療業務と比べて五輪に関わる医療業務は崇高」であるとの考えが根底にあるからではないでしょうか。だってオリンピックに関わる業務でも有償なものは数多くあるわけですから。

例えば会場運営企業の広告代理店に対しては、一人当たり日当30万円が積算されています。(実額は非公開)

この事からも東京五輪・パラリンピック組織委員会は業務内容ごとに有償・無償の線引きをしているため、スポーツドクターに対する業務内容に対して一定の線引きを設けていることがわかります。

その他にも非常勤役員への日当10,000円など、対価を払う必要性を感じている業務へは見合った報酬を支給しています。

それならば人命にかかわる重要なスポーツドクターに対しては他の業務の予算とのバランスが取れる報酬を支給しなくては辻褄が合わなくなってしまいます。

オリンピックはすでに通常開催はありえないでしょう。開催するのであればどのような開催方法となるのかを考えるフェーズに来ており、ゴルフ競技開催予定地の川越市でも引き続き議論を重ねていかなくてはなりません。



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明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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