【解説】小林賢太郎氏の解任報道の矛盾

過去のコントのネタでナチス・ドイツによるユダヤ人のホロコースト(大虐殺)を茶化していたことが問題視

20年以上前のコントで不適切な発言をしたことから東京オリンピック・パラリンピックの開会式でのショーディレクターを解任された小林賢太郎氏。

この発言が「不適切かどうか」については人の解釈にそれぞれ差異があるため、「この程度で?」と受け止めるのか、それとも「五輪に関わるのはふさわしくない!」と受け止めるのか。どちらかが正解というものはありませんが、組織委員会はその発言内容から後者の選択をしました。

この判断から打ち出された「解任」という結果から、組織委員会の東京オリンピック・パラリンピックに対する考え方が具体的に見えてきました。

過去の発言を発信することに協力していた人は誰?

まず、今回の騒動に対して具体的にどのような発言が行われていたかを確認してみました。

(大量の人型の紙を持ってくる演技の際に)「ああ、あのユダヤ人大量惨殺ごっこやろうって言った時のな」

このようなシーンです。

ちょっと失礼な書き方になりますが、20年以上前のラーメンズといえば決して売れっ子芸人といえる認知度ではありませんでした。
事実、ご本人の謝罪文にも記載されていましたが、売れない当時は笑いを取るために過激な発言をしていた時期があり、その後に笑いのスタンスを変えたことが告白されています。

先述したようにこの発言の善し悪しの判断は別として、組織委員会は過去の発言に対しても厳しく対応して小林氏を解任しており、その厳格さが明らかになりました。

ではその厳しさはどこまで波及するのでしょうか。

今回のコントはネタde笑辞典ライブというコント集のVHSに収められていた内容です。小林氏を糾弾するならばこのVHSの発行や制作協力に関わった企業もオリンピックに関わるには相応しくないという判断をするのが当然です。

組織委員会内にいる制作協力企業?

こちらの写真が問題となったコントが収録されているVHSのパッケージです。

今回の厳しい処分から想定するに、企画や制作に関わる人や団体も組織委員会からは不適切という烙印を押されることは間違いありません。

そこで組織委員会のメディア委員会を見てみましょう。→メディア委員会名簿
メディア委員会というだけあり、テレビや新聞関係各社の上層部の名前が連なる中、ネタde笑辞典ライブの制作協力に関わったTBSラジオのグループ会社のTBSテレビの重鎮の名前があることがわかります。

20年以上前の不適切な発言から小林氏を解任した組織委員会は、20年以上前の不適切な発言を発信するために制作協力した企業が身内にいることをどのように考えているのでしょうか。

・身内ならば20年以上前の出来事に対して関与しないのか?
・グループ会社ならば責任がないと言うのか?

このままTBSグループに対して何の音沙汰もなしとなるのならば、結局のところ「切りやすいところだけを切って茶を濁したんだな」としか映りません。

小林氏の解任という処分が、東京オリンピック・パラリンピックを厳格なものとすべく行った判断なのか、それとも批判をかわすためのトカゲのしっぽ切りだったのか。過去のことを掘り起こすのならば、橋本聖子会長のセクハラ騒動に対する対応は東京オリンピック・パラリンピックを厳格なものとすることができるのかといえば疑問が残ります。

これらの点を明確にしてもらうことが組織としての姿勢を明確にするものだと考えます。


✅著書、マルチタスク思考は以下のリンクから購入できます。

マルチタスク思考(Amazonページ)

明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
マルチタスク・ラボ
Twitterアカウント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です