現金10万円一律給付、現金給付政策の落とし穴

給付対象者は最終的に全体の99.7%

昨年度実施された「国民一律一人当たり10万円給付政策」、最終的な給付対象者は全体の99.7%であったことがNHKの調べで分かりました。

この0.3%の人数は約40万人。単純計算で40万×10万で金額にしておよそ400億円です。

当然ですが支給されなかったお金は国庫へ返納されますが、その金額は600億円。400億円返納ではなく600億円の返納です。200億円はどこからきたのでしょうか?

次いで全体の数字を見てみましょう。当初の予定では約1億2,710万人への支給を見込んでいたため、組んでいた補正予算は12兆7100億円?ではありません、12兆8,803億円です。→財務省HPより令和2年度補正予算(第1号)の概要

実際に支給する金額よりも約1,700億円、金額が上乗せされているのがわかります。

昨年の10万円支給政策は、まず国の補助金を全国の市区町村に分配し、各自治体が窓口となり全ての申請者に支給されました。

その際にかかる人件費や事務費など諸々の経費がこの1,700億円という数字となり、国民に10万円を支給するための「手数料」が1,700億円ということです。

もしこれが既存のシステム(制度)を利用したものであれば、ほとんど手数料がかかることはありません。

実際に川越市では生活困窮世帯の水道費の基本使用料を期間限定で無料としました。これによって約1.2億円の使用料の免除に繋がり、ほとんど手数料となるコストを掛けずに生活困窮世帯への支援を行うことができました。

国レベルとなればシステムを組み替えることなく「減税」や「免除」できる事業もあるでしょう。そのような既存システムを使って生活支援を行えば12兆8,803億円使って12兆7100億円の支援ではなく、12兆8,803億円使って12兆8,803億円分の支援が可能です。

ただし、現金給付は非常に分かりやすい政策ですので、国民受けはバツグンです。
国民受けがいいということは景気循環の心理的要因にも繋がるので、その点を鑑みての経済政策であれば一概に間違いとも言えませんが、それならば「どれだけ消費に回ったか」「どれだけ貯蓄に回ったか」の検証が必要です。

それをせずして現金給付はパフォーマンスに特化した政策であり、今回発生した約1,700億円分の「手数料」があれば他にも効果的な政策は打ち出せたはずです。

このように現金給付政策は税金を「1、集めて」から「2、給付する」という性質上、お金の二度の移動が必要となります。この二度目の移動の際に発生する手数料を生み出さないために、減税や免除といった手法は非常に効率的であり、以上がボクが現金給付政策に懐疑的な理由です。(懐疑的と書いたのは規模によってはケースバイケースになるため)

ちなみにボクは生活保護も現金支給ではなく、物品支給の方が望ましいと思いますが、このあたりは憲法の解釈と併せての説明が必要となるので機会があれば腰を据えて記事を書きたいと思います。


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明ヶ戸亮太(あけど亮太):経営者×市議会議員
現在40歳:川越市議会議員(現在三期目)・広告会社代表取締役・ICTコンサルタント・FPのマルチタスク / JAPAN MENSA会員
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